立夏とは
暦の上では夏の始まり
立夏(りっか)は、暦の上で夏が始まる日です。毎年5月5日、6日頃が立夏にあたります。立夏の日にちは太陽と地球の位置関係によって国立天文台が定めているため、年によって1日程度前後します。2025年の立夏は5月5日です。
太陽の黄経が45度に達したときと定められている。黄経とは、天球上の太陽の通り道である「黄道」の経度。二十四節気においては、春分の0度を起点に黄経を24分割し、15度ごとに節気を定めている。立夏の「立」には、新しい季節の始まりという意味があります。立夏を迎えると、暦の上では春が終わり、夏が始まります。
有名な茶摘の歌「夏も近づく 八十八夜♪」の歌詞の「夏」は、立夏のことなんだとか
八十八夜は立春から数えて88日目の毎年5月2日頃。3~4日後には暦の上での夏がやってくるからこの歌詞なんですね

立夏は二十四節気のひとつの期間

立夏は二十四節気の一つです。二十四節気とは古代中国で生まれた一年を季節ごとに分ける方法で、春・夏・秋・冬がそれぞれ6つの季節に分けられています。立夏は6つある夏の季節の一番始め、いわゆる初夏にあたります。
二十四節気について、詳しくはこちら 二十四節気とは?知っておきたい読み方や意味つまり、立夏は「立夏の季節に入る日」を意味する言葉であり、同時に5月5日(または6日)から5月20日前後までの季節を表す言葉でもあります。立夏の次には、植物や動物が生気に満ちて大きく成長する「小満(しょうまん)」の季節がやってきます。
一年で最も過ごしやすい季節

立夏の頃は、若葉が茂る新緑の季節。日差しがまぶしく夏の気配を感じるような日もありますが、本格的な暑さはまだまだ先。気候も安定していて爽やかな、一年で最も過ごしやすい季節と言われています。日本の暦ではちょうどゴールデンウィークにあたるため、行楽やお出かけに最適です。
立夏は花盛りの季節

立夏は花盛りの季節です。多くの花が立夏の頃に開花や見ごろを迎えます。
- 藤(フジ)
- 杜若(カキツバタ)
- 花菖蒲(ハナショウブ)
- 菖蒲(アヤメ)
- 芍薬(シャクヤク)
- ツツジ
- 皐月(サツキ)
- 芝桜(シバザクラ)
- ポピー
- 薔薇

全国各地の植物園やフラワーパークで、美しい花々が咲き誇ります。イベントや展示がされていることもあるので、お出かけに最適なこの時季に花畑に出かけるのも良いでしょう。
立夏の時期の食べ物
筍(タケノコ)

春の訪れを告げる食材タケノコ。日本で食用として一般的な品種の孟宗竹(モウソウチク)のタケノコは、3月~5月に旬を迎えます。主な生産地は西日本で、3月頃から九州で収穫され、徐々に産地が北上し、5月頃まで収穫されます。地域によりますが、実際には立夏より前の3月頃から食卓にタケノコが並び始めるので、微妙な季節のズレを感じるかもしれません。
二十四節気をさらに細分化した七十二候(しちじゅうにこう)では、初夏の頃に「竹笋生(たけのこしょうず)」という季節名が名づけられています。
七十二候について、詳しくはこちら 七十二候とは?七十二候の名称とその意味を解説この「竹笋生」のタケノコは、4~6月頃に旬を迎える真竹(マダケ)や淡竹(ハチク)の品種をさしていると考えられます。
そら豆

そら豆の旬は4月~6月です。さやが空に向かって伸びる姿から「空豆(ソラマメ)」、蚕を飼い始める初夏に食べる、またはさやが蚕の繭の形に似ていることから「蚕豆(ソラマメ)」とも書きます。
びわ

初夏の訪れを告げる果物といえばビワです。出荷時期は3~6月頃で、ハウス栽培・露地栽培・品種によって若干旬の時期が変わりますが、5月は出荷最盛期を迎えます。バナナのように追熟しない果物なので、収穫時(購入時)が一番美味しく食べられます。
立夏の時期のイベント
端午の節句・こどもの日

5月5日はこどもの日であり、端午の節句でもあります。
こどもの日は祝日法で制定された、子供のこれまでの成長を祝い、これからの健やかな成長を願う国民の祝日です。
詳しくはこちら 国民の祝日とは?意味や由来、祭日との違いは?端午の節句とは、季節の節目に厄払いやお祝いをする五節句の一つで、男の子の健やかな成長と健康を願ってお祝いをする日です。爽やかな風に吹かれて、青空を気持ちよさそうに泳ぐ鯉のぼりの風景は、まさに立夏の季節を表しています。
詳しくはこちら 5月5日の端午の節句とは?由来や風習・食べ物を紹介母の日

日本の母の日は、毎年5月の第2日曜日と決められています。日頃の苦労を労い、お母さんへの感謝の気持ちを伝える記念日です。母の日の起源は諸説ありますが、アメリカで生まれた風習が明治時代に日本に伝わり、キリスト教会を通して徐々に広まったと言われています。
ご健在のお母さんには赤いカーネーション、亡くなっているお母さんには白いカーネーションを贈る風習が知られています。カーネーション以外に、紫陽花(アジサイ)や胡蝶蘭、薔薇なども定番です。花は色によって花言葉が違うので、贈る前に確認しましょう。