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立冬とは?年によって日にちがズレる理由、気候や食べ物なども紹介

山茶花

立冬(りっとう)とは

2024年の立冬(りっとう)は、11月7日です。

立冬の「立」には、新しい季節の始まりという意味があります。その名の通り立冬とは、暦の上で秋が終わり、冬が始まる日なのです。

立冬は二十四節気のひとつ

立冬は、二十四節気(にじゅうしせっき)のうち19番目の節気です。二十四節気とは、古代中国で誕生した「1年を24の季節に分けた暦」。二十四節気においては、2024年の11月7日から11月21日までの期間は全て立冬にあたります。

立冬と、その次に来る節気「小雪(しょうせつ)」とを併せて、二十四節気では「初冬」の季節に分類されています。

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二十四節気について、詳しくはこちら 二十四節気とは?知っておきたい読み方や意味

年ごとに異なる立冬の日

西暦 立冬の日
2022年 11月7日
2023年 11月8日
2024年 11月7日
2025年 11月7日
2026年 11月7日
2027年 11月8日

上の表の通り、立冬の日にちは年によって異なります。11月7日の年が多いのですが、11月8日が立冬にあたる年も。例えば、2023年の立冬は11月8日ですが、2024年は11月7日です。

立冬の日にちは太陽の位置によって決められます。そのため、年ごとに若干の違いが出てしまうのです。具体的には、「太陽が黄経225度を通過する日」が立冬の日と決められています。

天球上の太陽の通り道である「黄道」の経度。二十四節気においては、春分の0度を起点に黄経を24分割し、15度ごとに節気を定めている。

立冬の頃の日本の気候

暦上は冬の始まりとはいえ、現代日本の立冬の頃といえば、まだまだ紅葉も見頃で冬の気配は薄いでしょう。しかしこの頃より、北寄りの冷たい風(木枯らし)が吹き始め、日が暮れるのも早くなってきます。木枯らしが吹いたかと思えば、ぽかぽか陽気の小春日和が数日続いたりしながら、徐々に季節は秋から冬へと移ろうのです。

立冬の頃は、冬の花である山茶花(サザンカ)の開花時期でもあります。二十四節気をさらに細かく分けた七十二候(しちじゅうにこう)においては、立冬の日から約5日間の時候を「山茶始開(つばきはじめてひらく)」と表現します。

「山茶始開」の「山茶」の読みは「つばき」ですが、ここではサザンカのことを意味しています。

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立冬の時期の食べ物

立冬の日にちなんだよくある誤解といえば、「かぼちゃを食べると、その年は風邪をひかない」といった言い伝え。しかしこれは冬至の日の風習です。立冬と冬至のイメージが重なり、混同してしまう人が多いのでしょう。

それでは、立冬の日ならではの食べ物はあるのでしょうか?

鍋にうどん、ココアまで……立冬の日に制定された記念日

残念ながら現在の日本では、立冬の日に必ず何かを食べるといった風習はありません。

とはいえ最近では、立冬にあたる11月7日や8日に「鍋の日(11月7日限定)」や「夜なきうどんの日」、「ココアの日」などの記念日が制定され、メーカーや飲食店が自社商品をPRしています。どれも寒い季節に恋しくなるものばかり。もしかしたらこの先、「立冬の日には鍋料理やココアが定番」といった時代が来るのかもしれませんね。

11月7日の記念日はこちら 11月7日は何の日?(記念日、誕生日、出来事)

立冬の時期のお菓子「亥の子餅」

立冬ならではのお菓子というわけではありませんが、毎年立冬の時期に親しまれているお菓子ならば存在します。それは、イノシシの子ども「ウリボウ」の姿に似せて作られた亥の子餅(いのこもち)」です。

亥の子餅は、「亥の月」にあたる旧暦の10月(新暦の10月下旬~12月上旬頃)の亥の日に食べるお菓子。2024年の亥の月・亥の日は、立冬の日と同じ11月7日が該当します。

亥の月、亥の日、そして亥の刻(午後9時~11時)に、この亥の子餅を食べることで、無病息災を祈ります。イノシシは一度にたくさんの子どもを産む動物であるため、亥の子餅には子孫繁栄の願いも込められているのです。

亥の子餅の起源は古代中国ですが、現在では日本の関西地域でも一般的な行事として親しまれています。

現代の亥の子餅の作り方に決まりはなく、地域や家庭によってさまざまです。

昔は、餅の生地にゴマと小豆、大豆、ササゲ、柿、栗、糖を練り込んで作られていたのだとか。

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亥の子について、詳しくはこちら 亥の子とは?しきたりや地域差などを解説

中国では餃子を食べる風習も

二十四節気の生まれた中国、特に北方(北京や天津など)では、立冬の日に餃子を食べるという風習があります。

立冬の前後は日本ではまだ冷え込みの緩い時期ですが、中国の北の方では耳が真っ赤になってしまうほど寒い日もあるのだとか。そんな日に、耳の形に似た温かい餃子を食べることで、厳しい冬の寒さから耳を守り、健康に過ごせるようにと祈るのです。

中国語では、「餃子」の「餃」と「交差」の「交」の読み方はどちらも「jiao」。

立冬の日は秋と冬が入れ替わる=「交差」することから、発音が似ている餃子を食べるようになったという説もあります。

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