コラム

2月28日の記念日 ビスケットの日

お菓子・デザート
ビスケットの日

由来

1855年2月28日、パンについて学んでいた水戸藩の柴田方庵が、同藩の萩信之助へ「ビスケットの製法」を書いた日本初の文書を送付しました。これを記念して全国ビスケット協会が2月28日をビスケットの日として制定しました。

古くからヨーロッパでは、航海や遠征の際に日持ちの良い「二度焼いたパン」を食糧としていて、これがビスケットの起源と言われています。

ビスケットの語原はラテン語で「二度焼かれた物」という意味の「ビス・コクトゥス(bis coctus)」であることから、「に(2)どや(8)く」の語呂合せにもなっています。

ビスケットとクッキーの違い

クッキー

ビスケット・クッキーは、どれも小麦粉やバター、砂糖などが原材料の、よく似ているお菓子です。気にして食べることはあまり無いですが、違いを知っておくといつか話のネタになるかもしれません。

材料の配分が違う

日本では、全国ビスケット協会の規約でビスケットとクッキーが定義されています。ただし、この規約は全国ビスケット協会独自のものであるため、協会に加盟していなければこれに従う必要はありません。

この規約で「ビスケット」とは、小麦粉、糖類、食用油脂及び食塩を原料とし、必要により澱粉、乳製品、卵製品、膨脹剤、食品添加物等の原材料を配合し、又は添加したものを混合機、成型機及びビスケットオーブンを使用して製造した食品をいう

全国ビスケット協会 ビスケット類の表示に関する公正競争規約より, https://www.biscuit.or.jp/summary/data/hyoji.pdf20090907okada(最終閲覧日:2021-7-26)

この規約で「クッキー」とは、ビスケットのうち次に掲げるものをいう。「手づくり風」の外観を有し、糖分、脂肪分の合計が重量百分比で 40%以上のもので、嗜好に応じ、卵、乳製品、ナッツ、乾果、蜂蜜等により製品の特徴づけをおこなって風味よく焼きあげたもの

全国ビスケット協会 ビスケット類の表示に関する公正競争規約より, https://www.biscuit.or.jp/summary/data/hyoji.pdf20090907okada(最終閲覧日:2021-7-26)

つまり、ビスケット協会の規約によると、ビスケットの中でも「手作り風」で糖分と脂肪分が全体の40%以上のものはクッキーと区別されます。

クッキーはビスケットの仲間であり、クッキーをビスケットと読んでも間違いではない、ということのようです。

見た目の違い。「手作り風」とは?

規約で定義されている「”手作り風の外観”とは?」と思う方は、思い出してみてください。

クッキー

表面が平らではなく少しボコボコっとしていて、割れ目のような線が入っていたりと、生地の質感が残っているのがクッキーです。たしかに見た目に手作りっぽさが感じられます。

ビスケット

ビスケットは表面が平らで、てんてんと小さな穴がきれいに並んでいたり、レース模様のように装飾されていたり、商品名の英単語が描かれていることがあります。

歴史の違い

日本に伝わったのはビスケットが先です。ビスケットは安土桃山時代にポルトガルの宣教師によって日本に伝わりました。しかし当時は「保存食」として食べられていたため、小麦粉・塩・水が原材料で、甘くはなかったようです。

クッキーが日本に伝わり人気が広まったのは昭和時代です。クッキーが日本で大ヒットすると、甘くないビスケットをクッキーとして売る人たちが出てきました。(当時ビスケットよりもクッキーの方が高級品と考えられていました)

そのため、全国ビスケット協会は1971年に、消費者が安価なビスケットを高級なクッキーと間違えないよう、上記の規約を定めたのです。

海外では日本ほど区別がない?

ビスケットはイギリス、クッキーはアメリカから伝わってきた焼き菓子で、それぞれの国では日本のような区別はされていないようです。

アメリカでは、日本でビスケット、クッキーと区別するような焼き菓子全般を、クッキーと呼びます。アメリカでビスケットというと、イギリスのスコーンのような厚みのあるパンを指します。ケンタッキーフライドチキンで食べられるビスケットが良い例です。

逆にイギリスでは、似たような焼き菓子すべてビスケットと呼ぶようです。

サブレはビスケットの仲間?

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サブレも、ビスケットやクッキーとよく似ています。

サブレはフランスから伝わった、ビスケットの仲間です。

あくまで目安ですが、ビスケットがバター(またはショートニング)と薄力粉の比率=1:2で作るのに対して、サブレはおおよそ1:1で作られます。そのためビスケットと比べてバターの風味が増し、より食感が軽めでサクっとしているのが特徴です。

フランスでは、日本でビスケット、クッキーと区別するような焼き菓子全般をサブレと呼んでいます。

きじまろくん
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